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ハートで生きる

幸せとは何か。そして幸せに生きるにはどうすればいいか。なぜこの世はこんなに苦しいのか。学生のころから中年に至るまでの時間、そんなことをよく考え、試行錯誤を繰り返していました。

 いくつもの本を読み漁り、セミナーに参加したり。そこで得た情報をもとに実践してうまくいったりつまずいたり。そんな迷いは長い長い年月続きました。

 それは、ビジネスの世界で成功を収めることであったり、伴侶と良好なパートナーシップを築くことであったり、病気を克服することであったり、スピリチュアルな世界を探求したり、自分自身を愛することであったり。そういったことを求めるプロセスをたどりました。

 

そんな中で何かを達成したり、何かを得たりすることもたくさんありました。それらはとても素晴らしいことだったと思うのですが、その達成感や得たもの(有形無形にかかわらず)というものは儚いものでした。「自分は幸せだ!」と世界に胸を張って叫べるような状態というのは長く続かず、どれだけ社会で出世しようが、円満な家庭を手に入れようが、いつもなぜか虚無感や正体不明の不安が心のどこかにありました。

 

もちろん、そのプロセスで培った喜びや感動というものはか欠けがいのないものであり、今でも心の中を明るく照らしている光にもなっていますし、失意や悲しみさえも、貴重な経験だったとと思っていますが。

そしていつしか社会でのポジションやあたたかい家庭団欒、そして健康や財さえも失ってしまうことになりましたが、幸いにしてそこで「ハートで生きる」というあり方を教えてくださる方に出会ったのです。

 

ただ、ハートで生きるというあり方に出会ってから、それがすぐに大切だと心から思えたわけではありません。そう思えるまでに、数々の苦い経験を通り過ぎなければなりませんでした。何故なら、ぼくは当時は病気を克服したという成果を達成した自身はすごい存在であると自負しており、ものすごく傲慢だったからです。当然その結果、成果達成の喜びもつかの間、再び苦しみは拡がりだし、それはどんどん膨らんでいく傾向にありました。それは以前の苦しみとは少し違う種類の苦しみでしたが。

 

そんな中で、再び偶然に自分の中で脚光を浴びた生き方が「ハートで生きる」という生き方です。その在り方をじっくり勉強し、少しずつ心がけて生きていくと、その中には上に書いたような疑問に対する答えが明確にありました。幸せとは何か。なぜ人生はこんなにも苦しいのか。そして幸せに生きるにはどうすればいいか。どうあればいいか。そんな問いに対して、今は一つの結論めいた思いに落ち着きつつあります。

 

幸せに生きるとは、本当の自分自身、つまりハートの声に導かれながら生きる事であり、そのプロセスのことを幸せと呼ぶのだと思います。

ハートとは、「本当の自分自身」のことです。魂といってもいいと思います。いずれにせよ人は、「本当の自分自身」を生きていないと、たとえどんなに成功しようがどれだけ世の賞賛を得ようが、どこか虚しいと感じてしまうものです。いや、本当の自分自身を生きず「そう」なったときのほうがダメージはかえって大きいのかもしれません。

 

生きとし生ける存在すべてがハートで生きることを実践されて最高の自分自身を生き、どんどん幸せになっていき、その果てにこの世界がより素晴らしいものになるように願っています。そしてご縁のある方のその試行錯誤のお手伝いをよりよくさせていただけるように、自分がより成長していけるように、これからも生きていくことが自身の役割だと思っています。お読みいただきありがとうございました。