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人と人とめぐる

そういや昔、東京で一人暮らしをしていた時、オスのうさぎを飼っていました。彼の名前は「めぐる」でした。なぜなら、目黒で出会ったから、もじってそう名付けたのです。

 

めぐるはもうこの世には居なくって、彼と過ごしたある夏の短い時のことを思い出すと少し切なくなります。

 

 

 

さてついこの間まで、暑さに辟易していたはずなのに、ここ数日涼しいを通り越して朝晩は急に寒くなりました。

 

季節の変わり目になると僕はよく考えるのですが、人の一生にも季節があって、春夏秋冬はめぐる。良いときもあれば、悪いときもある。

 

そして一日の中にも春夏秋冬のようなリズムがあって、一時間の中にも、一分の中にも、一秒の中にもそのリズムが無限に再現され、繰り返されているのだと思います。それが世界と命の躍動なのだと。

 

 

 

そして人間関係の中でも、春夏秋冬はめぐるように思います。恋人、夫婦、友人、親子、家族。あらゆる関係には必ず出会いがあって別れがあり、その期間に季節は何度も何度もめぐる。それは自然界に四季が訪れたり、雨季や乾季が訪れたりするように当たり前なことじゃないかなって。

 

今もしかしてあなたは、あの大切な人と険悪になってるかもしれない。冬の季節を迎えているかもしれない。でもそれは誰かが悪いんじゃなくって、もちろんあなたが悪いんじゃなくって、ごく自然なことかも。

 

そんな時は関係や相手をむやみに思うがままにすることじゃなく、冬は冬ならではの寒さを味わいながら次の季節を待つことも粋なものだと思います。思うがままにしたくなりますけれどね。

 

 

 

人と人との間には必ず良いときもあれば、悪いときもある。冬があるから、春がある。その逆も。豊穣な実りを楽しめる時もあるし、ホットな汗を流す時もあるし、じめじめと腐り枯れ果てる時もある。

 

人は人との間柄で死と再生を繰り返しながら、美しさを増してゆくものじゃないかな。そう生きていくしかないんじゃないかな。それでいいんじゃないかな。

 

あの大自然のような、お互いの生命の季節を味わいながら。